第35回フランス料理最優秀見習料理人選抜コンクール概要。
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フランス研修を終えて

平成29年4月14日

帝国ホテル 調理部 小川はるか

 

 昨年行われたプロスペール・モンタニェのコンクールの副賞として、2月27日から3月20日までフランスへ研修に行かせて頂きました。フランスの国が創り上げてきた文化や歴史を肌で感じ、憧れのフランス料理やそこに働く人達の情熱や想いを知るために、約2週間、パリの素敵なレストランで研修をさせていただきました。

 初日は、プロスペール・モンタニェ フランス本部のフルネ会長が、研修先のレストランへ案内して下さいました。まず、店内や厨房を見学いたしました。店内はとても華やかで、温かみのあるレストランでした。高い天井には中世の絵が描かれており、営業中はその天井が開閉し、夜風が入り込む仕組みになっていました。店内にはピアノもあり、とても優雅な雰囲気でした。厨房内は綺麗に使われており、清潔感がありました。席数は80席程あり、従業員はサービスが15名、ソムリエ3名、調理場は15名でした。シェフやスタッフの方はとても温かく迎えて下さいました。

 2日目から厨房の研修が始まりました。ランチ営業のない日は12時に厨房に入り、主にガルドマンジェの仕事をさせて頂きました。アミューズで使用するタルトレットの生地を作って焼いたり、野菜の下処理やカットなどをしました。13時半にスタッフと一緒に食事を頂きました。フランスの地方から働きに来ている人もおり、各地方の家庭料理を体験することが出来ました。使っている材料はそれぞれの地方で有名なものが多く、日本ではあまり目にする事のない食材なども見ることが出来、とても勉強になりました。レストランで提供する料理も地方料理をベースにし、手を加えた物が多いと感じました。また、私の職場のシェフと同様に、フランスのレストランでも日本の食材を使っていることが多く、フランスの食材だけにとらわれず他国の食材も取り入れていました。どんどん料理の幅が広がっていくのがとても楽しみです。これからいろんな料理に挑戦してみたいと思います。

 休憩を取り、再びディナーに向けて仕込みと掃除をして、18時半に二回目の食事休憩をとり、19時からディナーのスタートです。営業中は、アミューズ対応、調理補助、盛り付けをしました。営業終了後は、皆で掃除をして厨房を全て磨き上げて一日が終了します。とても衛生に対する意識が高く、こちらのレストランではビネガーを使って厨房内全てを拭き上げていました。

 ランチ営業のある日は、9時に仕事を開始します。ランチの準備をし、11時半に休憩をとり、12時からのランチ営業に備えます。ランチが終わったら掃除をして17時まで休憩をとります。その後は仕込み、スタンバイ、食事休憩、ディナーの営業開始、という流れでした。

 研修の後半ではポワソンの部門も教えて頂きました。皆さんとても親切にして下さり、仕事もひとつひとつ丁寧に教えてくださいました。レストラン自慢のポムスフレのオーダー対応もさせてくださいました。本場の昔ながらの作り方を教えて頂きました。とても難しく、上手く膨らまないものも多くありましたが、実際に教えて頂いたことを、日本での仕事の参考にしていきたいと感じました。あっという間の2週間でした。

 実際に仕事をしてみて驚いたことは、調理場のスタッフが全体的にとても若かったことです。年齢を伺ってみると、ほとんどが20代前半でした。ガルドマンジェのシェフドパルティエは女性でしたが、その人は22歳でした。日本では、ほとんどの人が高校を卒業して大学や専門学校に通って就職しますが、フランスでは学校を卒業して16歳頃から働く人も多いと知り驚きました。

 また、お客様が来店する時間が日本に比べて遅く、フランスならではと感じました。19時にディナーが始まりますが来店されるお客様は少なく、20時を過ぎた頃にほとんどのお客様が来店されます。調理場がオーダーで忙しくなりだすのは21時半を過ぎた頃でした。特に忙しい日は23時頃にオーダーが落ち着くため、それから厨房内の清掃をして24時半過ぎに終了、皆が帰るのは深夜です。

 休みの日は他のレストランへ研食に行ったり、観光をしました。マルシェには数えきれないほどの野菜やチーズ、ソーセージ、オリーブなどが綺麗に陳列されており、日本では見たことのない風景に魅了されました。ブラスリーなどにも食事に行きましたが、一皿の量の多さに驚きました。郷土料理もフランスで食べることが出来て良かったです。

 2週間の研修を終えて、実際に研修先のレストランへ食事に行きました。皆さん歓迎して下さりとても嬉しく思いました。満席状態でしたが、とても丁寧な対応をして頂きました。ピアノの生演奏を聴きながら食事を楽しませて頂きました。お料理は、いつも厨房で味見していた時よりも、とても美味しく感じました。途中で天井が開いて夜風に当たることが出来、とても気持ちよく感じました。デセールではクレープ・シュゼットを目の前で作って頂きました。オレンジやグラン・マルニエの香り、パフォーマンスに魅了されました。食事の最後には、今日の記念にと小さな陶器のキャセロールをプレゼントされました。とても良い思い出となりました。

 この研修を通して、フランスと日本の生活や文化の違いを実際に体験することが出来、とても有意義な研修でした。今回お世話になったレストランスタッフの皆様は、とても熱心にご指導してくださり、フランス人の明るさや温かみを実感しました。彼らのフランス料理に対する情熱を忘れずに、これからの仕事に活かし、多くの仲間に伝え、共有していきたいと思います。そして、フランス料理の素晴らしさを日本のお客様にも届けることができるよう、精進していきたいと思います。

 このような素晴らしい機会を与えてくださったプロスペール・モンタニェ日本支部、フランス本部の方々、関係者の方々に心から深く感謝いたします。この貴重な研修を経験できたことは、コンクールに向けてご指導して下さった方々のお陰です。これからも若い料理人達を温かく見守って育てて下さるクラブプロスペールモンタニェのますますのご発展を心からお祈りいたします。





















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